メガネの度数を上げてから、目が疲れる、床が浮いて見える、長くかけられない。そんなときは「度数を上げすぎたのでは」と心配になりますよね。
慣れないという感覚だけでは、度数が強すぎるのか、新しい見え方への慣れが必要なのかは判断できません。度数に加えて、乱視の補正、レンズの設計、フレームのかけ位置も確認する必要があります。
慣れる期間はおおむね2週間が目安ですが、つらくても期限まで我慢するという意味ではありません。まず購入店で度数や見え方を確認し、合っている場合に少しずつ慣らすのが基本です。この記事では、待つ期間の考え方から、購入店・眼科への相談、度数を下げる際の注意まで順に説明します。
- 度数の上げすぎと慣れの違い
- 慣れる期間と再確認の目安
- 乱視・レンズ設計・かけ位置の影響
- 購入店・眼科への相談と度数の見直し
メガネの度数を上げすぎた?慣れない原因と期間の目安
慣れないだけで「度数の上げすぎ」とは決められない

目に対してメガネの度数が強すぎる状態を「過矯正」といいます。おおうら眼科は、過矯正のメガネが眼精疲労の原因になると説明しています。ピントの合いにくさなどの目の症状だけでなく、頭痛や肩こりにつながる場合もあります。「見えるけれど疲れる」という悩みでも、度数の確認は必要です。
一方、度数を変えた直後は、物の大きさや距離感が以前と違って感じられ、新しい見え方に慣れるまで時間がかかることがあります。この場合の違和感と、過矯正による不調は、本人の感覚だけで明確に分けられるものではありません。
Zoffも、慣れの問題かどうかは判断が難しいとして、不安があれば早めの相談を勧めています。
さらに、かけ続けられるようになったことも、度数が適正という証明にはなりません。かしま眼科は、強すぎるメガネでも2〜3か月ほどで順応し、かけられるようになるケースを紹介しています。その後に目の疲れや頭痛などが出ることもあるため、「そのうち慣れるはず」と何か月も我慢し続ける考え方には注意が必要です。
慣れる期間はおおむね2週間、改善しなければ再確認
眼鏡市場は、新しいメガネに慣れるまでの一般的な目安を2週間程度とし、早い人では1〜2日、長くかかる人では2〜3週間程度と説明しています。東海光学も、度数や乱視補正などが変わった場合、一般的には2〜3日から2週間程度で順応すると案内しています。
個人差があるため、数日慣れないだけで作り直しが必要とは限りません。
ただし、この期間は「度数が合っているかを確認せず、待ってよい期間」ではありません。Zoffの案内は、販売店で自分の目に合う度数かを確認し、合っているなら2週間ほど様子を見るという順序です。慣らし始める前に相談しても早すぎるわけではなく、とくに強さが気になる場合は、その不安を伝えて構いません。
再確認の区切りとしては、2週間ほど使っても違和感が変わらないときを一つの目安にしてください。東海光学は2週間以上違和感が消えない場合に度数の再測定を、眼鏡市場は2〜3週間以上慣れない場合に度数やフィッティングの相談を勧めています。
日数だけで適否を決めず、改善しているか、つらさが続いているかも含めて相談しましょう。
床の浮き・柱のゆがみは乱視やレンズ設計の変化でも起こる

「遠くの文字は読めるのに、床の高さが変に感じる」「柱が曲がって見える」といった違和感は、近視や遠視の度数変更だけで起こるものではありません。東海光学は、乱視補正の追加・変更や、レンズ設計の違いも原因として挙げています。
度数を上げた際にほかの条件も変わっていれば、何が変化したのかを分けて見ることが大切です。
| 変更された条件 | 起こり得る見え方の変化 | 相談で確認したい点 |
|---|---|---|
| 近視・遠視の度数 | 距離感や空間の感じ方の変化 | 以前からの変更内容と、今の度数が合っているか |
| 乱視補正の追加・変更 | 線や物の形の見え方が変わり、違和感を覚えることがある | 乱視補正の内容と調整の必要性 |
| レンズ設計 | 周辺のゆがみ、拡大・縮小感などの変化 | 前後で設計が変わったか、別の設計が適するか |
レンズ設計には球面や非球面などがあり、同じ度数でも見え方や感じ方が変わることがあります。Zoffは、球面から非球面へ変更すると、度数が弱く感じられる場合もあると説明しています。つまり、「強く感じる」「弱く感じる」という感覚と、度数の数字は必ずしも一対一ではありません。
以前と新しいメガネの両方を見てもらう意味は、ここにもあります。
同じ度数でも、フレームや鼻パッドで見え方は変わる
フィッティングとは、メガネを自分の顔に合わせることです。レンズの度数が正しくても、目とレンズの距離や鼻パッドの位置が合っていなければ、見え方がゆがんだり、疲れやすくなったりすることがあります。新しいフレームで見え方が落ち着かないときは、度数だけを下げる前に、かけ位置も見てもらいましょう。
Zoffは、フレームや鼻パッドの形状が変わることで、目とレンズの距離が変化する場合があると説明しています。また、東海光学によると、カーブの強いフレームではレンズを斜めから見るため、像が縮んだり、ゆがんだりして見えることがあります。
前と同じ度数で作ったメガネにも違和感が出るのは、こうした条件が異なるためです。
メガネの度数の上げすぎで慣れないときの対処と相談先
度数を確認したうえで、室内から少しずつ慣らす
販売店で度数が合っていることを確認し、慣れの問題と考えられる場合は、室内から使い始める方法があります。東海光学は、違和感が強い場合、まず室内で使用してから屋外や長時間の使用へ段階的に移る方法を案内しています。最初から外出中ずっと使えることを目標にする必要はありません。
使用時間について、Zoffはつらい場合に30分程度から始め、少しずつ長くする方法を紹介しています。これは度数が合っている場合の慣らし方であり、30分間なら症状が出ても我慢する、という意味ではありません。しばらく様子を見ても改善しない場合は、無理にかけ続けず相談することが勧められています。
周囲を見るときは、目だけを横に動かすより、見たい物へ顔ごと向ける方法もあります。眼鏡市場によると、レンズの端を通して見る機会が減り、ゆがみや違和感を感じにくくするための工夫です。ただし、これは強すぎる度数を適正にする方法ではありません。慣らし方と、メガネそのものの調整は分けて考えてください。
古いメガネは、すぐ処分せず緊急用として残しておきましょう。Zoffも保管を勧めています。一方、東海光学は、新しい見え方に慣れる途中で以前のメガネと交互に使うと、慣れが遅れる要因になると説明しています。予備として保管することと、頻繁にかけ替えて慣らすことは別の話です。
つらくて新しい方を使えない場合は、その状態を販売店へ伝えてください。
購入店と眼科は、症状と確認したい内容で選ぶ


フレームやレンズの変更後から見え方が変わった、鼻パッドがずれる、かけ位置が気になる場合は、購入店が相談先になります。以前のメガネと新しいメガネを持参し、仕様の違いとフィッティングを見てもらいましょう。
眼鏡市場は、メガネを外して休むと調子がよくなる場合も、度数やサイズが合っていない可能性があるとして店舗への相談を案内しています。
相談では「度数が強い気がする」に加えて、実際の困りごとを伝えるとよいでしょう。たとえば床が浮いて見えるのか、周辺がゆがむのか、長く使うと疲れるのか。パソコン作業が中心なら、その用途も伝えてください。度数、レンズ設計、かけ位置、見る距離は、それぞれ確認する内容が異なります。
目の痛みや頭痛が続く、休んでも疲れが残る、店舗で相談・調整しても改善しない場合は、眼科に相談してください。日本眼科医会も、十分に眠っても疲れが残る場合には注意が必要と説明しています。目の疲れにはドライアイが関連することもあり、すべてをメガネの度数だけで説明できるとは限りません。
急な見えにくさに目の痛みや吐き気・嘔吐が伴うときは、慣れるのを待たず、速やかに眼科を受診してください。日本眼科学会は、急性緑内障発作でも眼痛、視力低下、吐き気・嘔吐が起こると説明しています。症状だけでこの病気と決めることはできませんが、単なるメガネ酔いと決めつけないことが大切です。
度数を下げるかは再測定で決め、乱視も一緒に確認する
過矯正が確認された場合は、目に合う度数へ調整することになります。ただし、「上げた分をそのまま戻す」「一律に何段階か下げる」と、先に変更量を決めるのは適切ではありません。おおうら眼科が紹介する症例では、近視の度数を下げるだけでなく、乱視の補正も組み合わせて見え方を調整しています。
この症例は、以前から使っていたメガネで見えにくさや圧迫感を訴えた21歳男性の例です。持参したメガネは近視だけを補正しており、その度数も強い状態でした。処方では近視の度数を下げ、乱視補正を加えています。
さらに乱視については、長時間かけることを考慮して、ぴったりの度数より少し下げて処方したと説明されています。
これは個別の処方例で、誰でも同じ変更をすればよいというものではありません。それでも、見えにくさへの対応が「近視の度数を上げる・下げる」だけではないことが分かります。また、かしま眼科によると、強すぎる度数に慣れていた人は、適正な度数へ弱めた後に一時的に弱く、見えづらく感じることがあります。
変更後の感覚も処方した眼科へ伝えながら調整しましょう。
作り直しの費用が気になる場合は、購入店の度数交換保証も確認してください。Zoffは、一定期間の無料交換など、店舗ごとに対応が異なると案内しています。フィッティング調整で済む場合と、レンズ交換になる場合もあります。
「もう1本購入するしかない」と決める前に、今回の対応内容と保証の対象を購入店で確認するとよいでしょう。
遠くは見えるのに手元がつらいなら、使う距離を見直す


遠くの文字がよく見えるようになっても、パソコン作業で快適とは限りません。日本眼科医会は、パソコンを長時間使う場合、その距離用に調節したメガネを使用すると目が楽になることがあると説明しています。度数の再確認では、遠方の見え方だけでなく、普段どの距離を長く見ているかも判断材料になります。
たとえば「外では困らないが、机に向かうと疲れる」という場合、単に慣らす時間を延ばすだけでなく、パソコンの距離に合わせたメガネが適するか相談する余地があります。東海光学も、外出用と室内用など、用途に応じて分けることで適した見え方を得られる場合があると案内しています。
誰もが2本必要という意味ではなく、今の1本で何を優先するかの検討です。
近視の人に老眼がある場合は、別の条件も加わります。日本眼科医会によると、近視のメガネを少し弱めると、遠方の視力はやや下がる一方で近くが見やすくなり、それで間に合う場合があります。ここには遠くと近くの見え方の違いがあるため、「弱くすればすべて楽になる」とは考えず、必要な距離を眼科で伝えてください。
目指したいのは、強い度数を我慢して使える状態ではなく、目と用途に合ったメガネです。新しいメガネに慣れないときは、度数が適正かを確かめ、乱視やかけ位置、使う距離も含めて見直す。
そのうえで慣らす期間を設けると、待つべきか、調整へ進むべきかを相談できます。
メガネの度数を上げすぎて慣れないときのまとめ
この記事のまとめです。
- 慣れないという感覚だけでは、過矯正か慣れの問題かを判断できません。
- 強すぎる度数にも順応する場合があり、かけられることと適正なことは別です。
- 慣れる期間はおおむね2週間が目安ですが、まず度数が合っているかを確認します。
- 2週間ほど使っても違和感が変わらなければ再相談を。不安があれば、それより早く相談して構いません。
- ゆがみや距離感の違和感には、乱視補正やレンズ設計の変化も関わります。
- 同じ度数でもフレームや鼻パッドによって見え方が変わり、調整で改善する場合があります。
- 度数が合っている場合は室内から段階的に慣らし、つらい場合は短時間から始めます。
- 購入店には新旧のメガネを持参し、痛みや疲れが続く場合、調整しても改善しない場合は眼科へ相談します。
- 急な見えにくさに目の痛みや吐き気・嘔吐が伴う場合は、慣れるのを待たず速やかに眼科を受診します。
- 度数を下げる量は一律に決めず、乱視補正や使用時間も含めて再確認します。
- パソコンなど手元の作業がつらい場合は、使う距離に合わせた度数や用途別の使い分けも相談できます。
参考にした情報
- 👓新しいメガネにしたら違和感?その要因と対処法を解説! | お客様相談室からのワンポイントアドバイス –
- 【新しいメガネの慣らし方】メガネ酔いの原因と対処法、買い替えにおすすめのメガネも紹介 | 眼鏡市場(メガネ・めがね)
- 合わないメガネ、使ってませんか? | かしま眼科
- 症例②-眼鏡処方- 21歳 男性 過矯正の眼鏡をかけることにより眼精疲労を引き起こしていた症例|大阪市淀川区 阪急三国駅から徒歩約2分の眼科|おおうら眼科
- 新しくしたメガネがなぜか疲れる…違和感が…。良くある原因と対処法について – Zoff Magazine
- メガネで頭痛・目が疲れるのはなぜ?原因と対処法をわかりやすく解説 | ICLクリニック名鑑
- メガネのかしこい使い方 | 目についての健康情報 | 公益社団法人 日本眼科医会
- パソコンと目 | 目についての健康情報 | 公益社団法人 日本眼科医会
- 緑内障|日本眼科学会による病気の解説
- 急性緑内障発作について|前兆や治療方法、一般的な緑内障との違いを解説










