メガネのAXS(乱視軸)とは?度数の読み方と処方箋の見方を解説

メガネのAXS(乱視軸)とは?度数の読み方と処方箋の見方を解説

メガネを購入しようとして処方箋を確認したとき、「AXS」という見慣れない記号に戸惑った経験はありませんか。SPHやCYLと並んで記載されているこの数値は、乱視の矯正に欠かせない「乱視軸」を表しています。

AXS(乱視軸)は、乱視を矯正するレンズの角度を1°〜180°で示す数値です。この仕組みを理解すると、処方箋の見方が分かり、メガネやコンタクトレンズを選びやすくなります。

この記事では、AXSとは何かという基本的な意味から、0度〜180度の数値の読み方、直乱視・倒乱視・斜乱視の3種類の違い、そしてCYL(乱視度数)との関係まで丁寧に解説します。あわせてSPH(球面度数)・PD(瞳孔間距離)・ADD(加入度数)を含めた処方箋全体の読み方も紹介しますので、オンラインでメガネを購入するときや、眼科で受け取った処方箋を確認するときにぜひお役立てください。

この記事のポイント
  • AXS(乱視軸)はAxisの略で、乱視を矯正するレンズの角度を1°〜180°で表す
  • AXSはCYL(乱視度数)とセットで使い、乱視のある人のみに記載がある
  • 乱視軸の数値によって直乱視・倒乱視・斜乱視の種類が分かる
  • SPH・CYL・AXS・PD・ADDの5項目を正しく読めると処方箋が理解できる
目次

メガネのAXS(乱視軸)の意味と乱視の仕組み

  • AXS(乱視軸)の基本的な意味と役割
  • AXS 0度〜180度の数値の読み方
  • 直乱視・倒乱視・斜乱視:乱視軸で分かる乱視の種類
  • CYL(乱視度数)とAXSの関係:セットで理解する乱視

AXSとは何か:乱視を矯正するレンズの角度

AXSとは何か:乱視を矯正するレンズの角度

AXSとは、英語の「Axis(アクシス)」の略で、日本語では「乱視軸」と呼ばれます。乱視軸とは、乱視を矯正するレンズ成分の方向を示す角度のこと。単位は「度(°)」で、1°から180°の範囲で指定されます。

AXSはAxisの略語で「乱視軸」を意味し、乱視を矯正するレンズの角度を1°〜180°で示す数値です。

乱視とは、目の中で光が一点に集まらず、特定の方向にぼやける状態のことです。近視や遠視が「全体的に見えにくい」状態であるのに対して、乱視は「特定の方向にずれてぼやける」のが特徴。このずれた方向を補正するために、レンズをある特定の角度に合わせる必要があるのです。その角度を示しているのがAXS(乱視軸)です。

AXSは、メガネの処方箋だけでなく、乱視用コンタクトレンズを作成する際にも必要なデータ。乱視のある方は、CYL(乱視度数)とAXS(乱視軸)の両方の数値が処方箋に記載されます。一方、乱視のない方の処方箋にはAXSの数値が書かれていないか、空欄になっているケースがほとんど。

特に強乱視の方にとって、AXSの数値の正確性は極めて重要です。AXSの角度がわずかにずれると、乱視が正しく矯正されず、見え方の不調につながりかねません。オンラインでメガネを購入する際には、処方箋に記載されたAXSの数値を正確に入力してください。

なお、AXSはメガネの処方箋とコンタクトレンズの処方どちらにも登場する用語です。コンタクトレンズの処方箋ではAXSの代わりに「AX」と表記されることも。この記事では主にメガネの度数表記に関する文脈で解説しますが、コンタクトレンズを選ぶ際にも同じ考え方が適用されます。乱視用コンタクトレンズは、見え方を一定の方向に安定させる効果を持っており、そのためにAXSの数値が欠かせません。処方箋によっては「AX」「AXIS」と記載されることもありますが、いずれも同じ乱視軸を意味するものです。乱視のない方には記載がないため、自分の処方箋にAXSが書かれていない場合は乱視がないと考えてよいでしょう。

AXSの数値の読み方:0度〜180度が意味すること

AXSの数値の読み方:0度〜180度が意味すること

AXSの数値は、1度から180度の範囲で表されます。この数値が何を意味するのか、正しく理解しておきたいところ。

まず重要なポイントとして、AXSの数値に「強い・弱い」という概念はありません。あくまで角度(方向)を示すものであり、数値が大きいほど乱視が強いということにはなりません。たとえばAXS 90°とAXS 170°は、どちらの乱視が強いということではなく、乱視の方向が異なるだけ。

AXSは乱視の「強さ」ではなく「方向(角度)」を示す数値です。数値の大小で乱視の強さを判断することはできません。

乱視の検査では、放射状に広がる線が描かれた図形が使われます。この図形の線は実際にはどれも同じ濃さ・太さで描かれているのですが、乱視のある人は一部の線が他より濃く見えたり太く見えたりします。どの角度の線が濃く見えるかを確認することで、乱視軸の方向を特定する仕組み。

AXSは、乱視を矯正するための方向を示すもの。乱視のない方はCYLが0.00(またはなし)となり、その場合AXSの記載も不要となります。

また、AXSの数値が正確でないと乱視を適切に矯正できません。特にCYLの数値が大きい強乱視の場合は、AXSのわずかなずれが見え方に影響する可能性があるため、処方箋の数値を慎重に確認しましょう。

AXSは1度から180度の範囲で表されますが、たとえば「AXS 180°」と「AXS 0°」は実質的に同じ方向を示しています。角度は半円(180度)を1サイクルとして考えるため、最大値が180度になっています。処方箋によっては「AX」「AXIS」と記載されることもありますが、いずれも同じ乱視軸。乱視のない方には記載がないため、自分の処方箋にAXSが書かれていない場合は乱視がないと考えてよいでしょう。

直乱視・倒乱視・斜乱視:乱視軸で分かる3つの種類

直乱視・倒乱視・斜乱視:乱視軸で分かる3つの種類

乱視の種類は、乱視軸(AXS / AX)の数値から判断できます。数値の範囲によって「直乱視」「倒乱視」「斜乱視」の3つに分類されます。

直乱視は、AXSが180度を中心に±20度の範囲(160度〜180度または0度〜20度)に該当するものです。縦の方向(上下)に光がずれ、物が上下に歪んで見えます。直乱視では、地面が実際よりも遠く見え、身長が高くなったように感じるケースも。

倒乱視は、AXSが90度を中心に±20度の範囲(70度〜110度)に該当するものです。横の方向(左右)に光がずれ、物が左右に歪んで見えます。倒乱視では、地面が実際よりも近く見え、身長が低くなったように感じることもあるでしょう。

斜乱視は、直乱視・倒乱視のどちらにも該当しない角度、つまり20度〜70度または110度〜160度の範囲に該当するものです。斜め方向に光がずれるため、床や壁が傾いて見えます。

このように、AXSの数値を確認すれば、自分の乱視がどの種類に当たるか、そしてどの方向にずれて見えているのかを把握できます。眼科やメガネ店で乱視の説明を受けたときに、処方箋のAXSと照らし合わせてみてください。

3種類の乱視をまとめると、直乱視は縦方向のずれ(地面が遠く見える)、倒乱視は横方向のずれ(地面が近く見える)、斜乱視は斜め方向のずれ(床・壁が傾いて見える)という違いがあります。自分がどのような見え方のずれを感じているかを思い浮かべると、処方箋のAXS数値との対応関係がつかみやすくなるはず。乱視の種類を知ることは、自分の視力の状態を理解する上で役立ちますよ。

自分の処方箋にAXS 90と書いてあったけど、倒乱視ということなのか

CYL(乱視度数)とAXSの関係:セットで理解する乱視の矯正

CYL(乱視度数)とAXSの関係:セットで理解する乱視の矯正

CYLは「Cylindrical(シリンドリカル)」の略で、「円柱形」という意味。メガネの度数表記においては、乱視の強さを示す数値として用いられるもの。単位はD(ディオプター)で、数値が大きいほど乱視が強いことを表します。

CYLの数値には「-」と「+」がありますが、メガネの処方箋においては多くの場合「-(マイナス)」で表記されます。また度数は0.25刻みとなっており、たとえば-0.25、-0.50、-0.75、-1.00というように段階的に変化します。

乱視とは、目の中で光が一点に集まらず、特定の方向でぼやける状態のことです。近視・遠視が「球面方向のずれ」であるのに対して、乱視は「特定の方向のずれ」という性質を持つのが特徴。

CYLとAXSはセットで機能。CYLだけがわかっても、どの角度に矯正すればよいかが定まりません。逆に、AXSだけがわかっても、どの程度矯正すればよいかが分かりません。乱視のある方のメガネを正確に作るためには、「乱視の強さ(CYL)」と「乱視の方向(AXS)」の両方のデータが不可欠。

なお、CYLが0.00またはなしの場合、乱視がないことを意味するため、AXSの記載も不要となります。乱視のない方の処方箋にはAXSが空欄になっていることがありますが、これは異常ではなく、乱視のない方には不要な情報であるためです。

CYLの数値が小さい軽度の乱視であっても、メガネ店では処方箋の数値をそのまま使用します。ただし、実際のメガネ作成においては、球面度数(SPH)を弱めに設定することはあっても、乱視度数(CYL)は基本的に変更しないとされています。CYLとAXSは、乱視矯正において重要な役割を担っている点にも注目。

処方箋のSPH・PD・ADDも含めた度数の読み方

  • SPH(球面度数):近視・遠視の強さを表す数値
  • PD(瞳孔間距離)とADD(加入度数)の役割
  • 処方箋を正確に読み取り活用するための注意点

SPH(球面度数)とは:近視・遠視を表すマイナスとプラスの数値

SPH(球面度数)とは:近視・遠視を表すマイナスとプラスの数値

SPHは「Sphere(スフィア)」の略で、「球面」という意味。メガネの度数表記においては、近視(マイナス)または遠視(プラス)の強さを示す数値として使われます。単位はD(ディオプター)です。

マイナス(-)の数値は近視を示します。遠くが見えにくく、レンズで光を拡散させて遠方にピントを合わせる必要がある状態のこと。プラス(+)の数値は遠視を示します。遠視の場合、近くも遠くもピントが合いにくくなりがちですよ。

数値の絶対値が大きいほど矯正力が必要。たとえばSPH -3.00よりもSPH -7.00のほうが近視が強く、より強いレンズが必要です。SPHが-6.00Dを超える場合は高度近視に分類されます。

オンラインでメガネを購入する際には、SPHの「+(プラス)」と「-(マイナス)」の符号を正確に選択することが非常に重要です。近視と遠視では補正の方向が真逆であるため、符号を間違えると見え方に大きな問題が生じかねません。処方箋を確認する際は、符号と数値の両方を注意深く確認してください。

また、高度近視(SPH -6.00D以下)の場合はレンズが厚くなりやすいため、レンズを薄くするために1.74などの高屈折率レンズを選ぶのが効果的です。

処方箋の数値は定期的に変化するもの。生活習慣や年齢によって視力が変わるため、現在使っているメガネの度数が合わなくなってきたと感じたら、眼科での再検査を受けるのがおすすめ。また、自分の度数が分かっていれば、メガネ店での視力検査を省略して度数をそのまま伝えることも可能。ただし、安全のためにも定期的な眼科検診は怠らないようにしましょう。

処方箋のSPHがマイナスの大きな数字だと、レンズが分厚くなってしまうのが心配

PD(瞳孔間距離)とADD(加入度数)の役割

PD(瞳孔間距離)とADD(加入度数)の役割

PD(瞳孔間距離)は「Pupillary Distance(ピュピラリー・ディスタンス)」の略です。左右の瞳孔の中心間の距離をミリメートル(mm)で示した数値です。

PDはレンズの光学的な中心を決定するために不可欠な数値です。メガネのレンズには光学中心があり、この中心が目の瞳孔の位置と一致することで、正確な視力矯正が実現します。PDがずれると、プリズム効果と呼ばれる光の屈折のゆがみが生じ、目に余計な負担がかかります。特に強度数(SPHの絶対値が大きい)の場合は、PDが数ミリずれるだけで目に大きな負担がかかるため、正確な数値の入力が求められます。

PDには「両眼PD(total PD)」と「片眼PD(mono PD)」の2種類があります。両眼PDは左右の瞳孔の間の合計距離で、たとえば「69mm」のように表記。片眼PDは鼻の中心から各瞳孔までの距離で、右目・左目それぞれに値があります(例:右34.5mm、左34.5mm)。計算式は「両眼PD = 右片眼PD + 左片眼PD」です。なお、人間の顔は左右非対称なため、左右でPDが異なる場合もありますが、これは特に問題ありません。

ADD(加入度数)は「Addition(アディション)」の略です。遠近両用レンズや老眼鏡において、手元を見るために遠用度数に追加する度数のことです。主に40歳以上の方で必要になるケースがほとんど。ADD 0.00の場合は遠くを見るための単焦点レンズであることを意味し、老眼が始まっていない状態での処方箋にはADDの記載がないか0.00となっています。

オンラインでメガネを購入する場合は、あらかじめPDを測定しておく必要があります。PDの数値は個人によって異なりますが、日本人の平均はおよそ男性で64mm、女性で62mmといわれています(S4の情報より)。自分のPDが処方箋に記載されていない場合は、眼科やメガネ店で測定を依頼してみてください。

PDはレンズの光学中心を決める数値であり、特に強度数の場合は数ミリのずれが見え方に大きく影響します。

処方箋の度数を正確に入力するときの3つの注意点

処方箋の度数を正確に入力するときの3つの注意点

オンラインでメガネを注文する際には、処方箋の数値を正確に入力することが正確な視力矯正の前提となります。以下の3つの注意点を押さえておきましょう。

注意点1:SPH・CYL・AXS・ADDの各項目に空欄がないかを確認する

処方箋に記載されたSPH・CYL・AXS・ADDの各項目に空欄がないかを確認することが第一のポイント。乱視がある場合は、CYLとAXSの両方を必ず入力する必要があります。CYLの数値があるのにAXSを入力し忘れると、乱視の矯正ができないメガネになってしまいます。

AXSの入力ミスや入力漏れは、見え方の不調に直結します。乱視がある場合は必ずCYLとAXSの両方を正確に入力してください。

注意点2:PDの種類を確認して正確に入力する

処方箋に記載されているPDが「両眼PD」か「片眼PD」かを確認し、オンラインストアの入力フォームに合わせて正しい形式で入力します。片眼PD(例:右34.5mm、左34.5mm)が記載されている場合は、両方を合計した両眼PD(例:69mm)を計算して入力するケースもあります。入力フォームの指定形式をよく確認してから入力してください。

注意点3:強度数の場合はレンズとフレームの選択に注意する

SPHが-6.00D以下の高度近視の場合は、1.74などの高屈折率レンズを選ぶことでレンズを薄くできます。また、非球面設計のレンズはレンズ周辺部の歪みを軽減する効果も見逃せません。フレームについては、レンズ径の小さいフレームを選ぶほど仕上がりが薄くなり、太いリムのフレームはレンズの厚みを隠す効果があります。なお、生活習慣や年齢によって度数は変化することがあるため、定期的な眼科検診を受けることが推奨されています。

メガネのAXSとは何かを理解して処方箋を正しく読み解くポイントまとめ

この記事のまとめです。

  • AXS(乱視軸)はAxisの略で、乱視を矯正するレンズ成分の角度を1°〜180°で表す
  • AXSは「方向(角度)」を示す数値であり、数値の大小で乱視の強さを判断することはできない
  • 乱視軸(AXS)によって、直乱視・倒乱視・斜乱視の3種類の乱視を分類できる
  • 直乱視は180度±20度の範囲で、地面が遠く見え身長が高くなったように感じる
  • 倒乱視は90度±20度の範囲で、地面が近く見え身長が低くなったように感じる
  • 斜乱視は直乱視・倒乱視以外の角度で、床や壁が傾いて見える
  • CYL(乱視度数)はCylindricalの略で乱視の強さを、AXSは乱視の方向を示し、セットで機能する
  • CYLが0.00の場合は乱視がないことを意味し、AXSの記載も不要となる
  • SPH(球面度数)はSphereの略で、マイナスが近視・プラスが遠視を示す
  • PD(瞳孔間距離)はPupillary Distanceの略で、レンズの光学中心を決定する重要な数値
  • 両眼PDと片眼PDの2種類があり、右片眼PD+左片眼PDが両眼PDになる
  • ADD(加入度数)はAdditionの略で、遠近両用レンズ・老眼鏡で必要な数値
  • オンライン購入時はSPHの+/-符号とAXSの数値を特に正確に入力することが重要
  • 強度近視(SPH -6.00D以下)の場合は1.74などの高屈折率レンズ選択が推奨される
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この記事を書いた人

はじめまして、ミカタです。
小学生でメガネデビューし、コンタクトとの行ったり来たりを経て、今はメガネの魅力にどっぷりハマっている40代会社員です。
「自分にぴったりの一本」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

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