メガネをアルコールで拭くのはダメ?フレームとレンズへのダメージを解説

メガネをアルコールで拭くのはダメ?フレームとレンズへのダメージを解説

アルコールでメガネを除菌してたんだけど、フレームが白っぽくなってきた気がする……

メガネのミカタ管理人のミカタです。

コロナ禍でアルコール消毒がすっかり日常になった頃から、鼻パッドのあたりや金属部分が変色したメガネを見て「もしかして?」と気になっている人が増えています。実は私も一時期、帰宅後にアルコールスプレーをさっとかけて拭いていたことがあります。そのとき何が起きたか、この記事でお話しします。

メガネ歴30年以上、JINS・Zoff・眼鏡市場とひと通り試してきた私が、メガネとアルコールの正直な相性と、代わりになる正しいお手入れ方法を自分の経験も交えて解説します。

この記事のポイント
  • アルコールはフレームの七宝・セルロイドを白く変色させることがある
  • レンズのARコーティングや疎水層もアルコールで剥離するリスクがある
  • 正しいお手入れは「ぬるま湯+中性洗剤」か「専用クリーナー」
  • アルコールティッシュを使うなら製品・素材に合った使い方が必要
目次

メガネにアルコールをかけると起きること(メガネ アルコール)

  • [アルコールでフレームが白く変色する理由(七宝・セルロイド)](#七宝)
  • [レンズのコーティングへのダメージ(ARコーティング・疎水層)](#コーティング)
  • [スプレーとアルコールティッシュ、危険度の違い](#危険度)

アルコールでフレームが白く変色する理由(七宝・セルロイド)

アルコールでフレームが白く変色する理由(七宝・セルロイド)

結論から言うと、アルコールはメガネフレームに対して決して優しくありません。

特にプラスチックフレームは、アルコールに触れると光沢が鈍くなったり変色することがあります。肌触りが良くツヤの美しい天然素材ほど、白く変色しやすいのが特徴です。メタルフレームにも金属の上に何らかのコーティングが施されているため、アルコールによる変色・変質の可能性がゼロではありません。

セルフレームは素材によってアルコールで表面が変質する場合があります。特に七宝加工やセルロイド素材のフレームは要注意です。

アルコール消毒した手で2週間、七宝加工のフレームに触れ続けたところ、一部がはがれてしまったというケースも報告されています。繊細な加工だけに、アルコールの影響を受けやすいのです。

「七宝剥がれ」「セルロイド生地の劣化(艶が無くなり白くなる)」は、もともと経年劣化として起こり得る現象ですが、アルコール消毒を頻繁に行うことで早い段階でこういったトラブルが発生しやすくなります。

大手チェーンでも、手指消毒のアルコールやアルコール入りシートはメガネを劣化させる恐れがあるとして、使用は推奨されていません。

メガネを長持ちさせたいなら、フレームへの直接のアルコール接触は避けるのが賢明です。

消毒した手のまま、乾かないうちにメガネを触るのも同じことだよね?

そうなんです。手指にアルコールが残っている状態でメガネに触れること自体がリスクになります。手を乾かしてからメガネをかけるのが大切です。

レンズのコーティングへのダメージ(ARコーティング・疎水層)

レンズのコーティングへのダメージ(ARコーティング・疎水層)

レンズへのダメージについては、専門家の間でも見解が分かれる部分があります。ポイントを整理してみましょう。

まず、ARコーティング(反射防止コーティング)に関しては慎重な意見が多いです。ARコーティングとは、真空蒸着法で塗布された多層構造のコーティングのこと。アルコールは溶剤として作用し、これらの層の化学結合を弱め、繰り返し塗布することで時間の経過とともにコーティングにひびや剥がれが生じる可能性があると考えられています。

また、現代のARコーティングにはほぼ必ず疎水層(水をはじく層)と撥油層(皮脂をはじく層)が含まれています。アルコールはこれらの保護層を剥離させるのに効果的で、剥がれるとレンズが汚れやシミに対して脆弱な状態になると考えられています。

ひび割れ(クラッキング)と呼ばれる微細なひびが発生し、光学的な透明性を損なうリスクも念頭に置いてください。

一方、目に見えない小さな傷がある箇所からアルコールが浸透し、レンズ表面に変化が現れるという指摘もあります。日常的なウェットティッシュやおしぼりにもアルコール成分が入っている場合があるため、使用前の成分確認が欠かせません。

ただし、異なる見解もあります。レンズメーカーの公式案内では「レンズ部分に関しては除菌用のアルコール類であれば差し支えない」とされている一方で、「次亜塩素酸に類するものは使用しないでください」とも案内されています。また、「度付きのレンズでは、アルコールでダメージを受けるコーティングはほとんどない」という意見もあるようです。

見解が分かれる背景には、コーティングの種類・品質・使用頻度の違いがあります。高品質なコーティングは比較的耐性が高い一方、安価な伊達メガネやスポーツ用ゴーグルは要注意。「素材や製品による」という理解が現実的です。

私の経験でも、以前メガネにアルコールスプレーを吹きかけてしばらく使い続けたところ、レンズの端の方が少し曇ったような感触になったことがありました。因果関係は断言できませんが、それ以来専用クリーナーに切り替えています。

スプレーとアルコールティッシュ、危険度の違い

スプレーとアルコールティッシュ、危険度の違い

「アルコールがどれもダメ」というわけではなく、使い方によってリスクの大きさが変わります。

アルコール入りのウェットティッシュで拭く程度であれば、よほど特殊な素材のものでない限り、それほど気にしなくてもよいとされています。一方、スプレータイプのアルコール消毒液をメガネに直接振りかけるのは少し注意が必要です。アルコール濃度が分からない消毒液の場合は特に慎重に。

除菌のウェットティッシュやおしぼりにもアルコールが含まれている場合があります。無意識に使っていることもあるので、日頃から確認する習慣をつけておきましょう。

メガネ専用のアルコール系クリーナーとして知られる「メガネクリーナーふきふき」は、工業用のイソプロピルアルコールを使用した専用品です。シートサイズは10cm×13.3cm、個包装は幅約55mm×縦約75mmとコンパクトで携帯しやすく、コスパは1枚約10円程度と手軽な価格帯です。ただし、あくまでメガネ専用として設計された製品であり、濃度不明の市販消毒液とは別物と考えてください。

手指消毒に使う一般的なアルコールをそのままメガネに使うのは、複数のメガネ専門店で「劣化の恐れあり」として推奨されていません。

メガネをアルコールから守るお手入れと保管の方法(メガネ アルコール)

  • [水洗いと中性洗剤での正しいメガネの洗い方](#洗い方)
  • [メガネ専用クリーナーと曇り止めクロスの選び方](#クリーナー)
  • [やってはいけないNG行動と長持ちさせる保管方法](#NG)

水洗いと中性洗剤での正しいメガネの洗い方

水洗いと中性洗剤での正しいメガネの洗い方

アルコールの代わりに使える、最も安全なお手入れ方法は「水洗い+中性洗剤」です。私もこれを日課にしてから、フレームの劣化が格段に落ち着きました。

GLASS FACTORYが紹介する5ステップ洗い方を参考にご紹介します。

1. 中性洗剤を洗面器に数滴入れ、泡立てる。食器用の中性洗剤でOKです。弱酸性やアルカリ性の洗剤はメガネを傷める恐れがあるため、必ず中性洗剤を選びましょう。

2. 泡の中にメガネを入れ、汚れが気になる部分を優しく洗う。金具部分はオイルが抜けると固くなりやすいので、そっと扱うこと。

3. 水でよく流す必ずお水で。お湯は使わないこと。プラスチックレンズは熱に弱いため、お湯はコーティングへのダメージにつながります。

4. 水気をティッシュやタオルで取り、メガネ拭きで拭き上げる

5. 金属パーツは錆びやすいため、水気をしっかり拭き取る

最初のステップとして、まずぬるま湯で優しくすすぎ、ホコリや砂粒を落としてから洗うと傷防止になります。砂粒が残ったまま拭き上げると、それが研磨剤になってしまいます。

天然素材(木など、コーティングのないもの)は水洗い不可な場合があります。素材の特性を事前に確認しておきましょう。

メガネ専用クリーナーと曇り止めクロスの選び方

メガネ専用クリーナーと曇り止めクロスの選び方

水洗いの後仕上げとして専用クリーナーを使うと、コーティングを守りながら汚れもつきにくい状態に仕上がります。

Zoffが販売する「プラクリーン」は除菌に加えて帯電防止効果も備えており、日常使いに便利なクリーナーです。Eyewear shop amiでは「メガネのシャンプー」(税込500円)という泡で出るタイプのクリーナーが日常使いにおすすめされています。

曇り止めクロスについては、製品によって300〜700回使用可能なものが販売されています。効果の持続時間は12〜24時間が目安です。ただし特殊素材(べっ甲・宝石・革・木)のフレームには使用できない製品もあるようですので、購入前に確認が必要です。

曇り止めを使う際の注意点が2つあります。水洗い後は曇り止めの効果がなくなるため、こまめに付け直すこと。そしてレンズがきれいな状態で付けること。汚れたまま付けてしまうと、汚れと混ざって余計に曇ったようになります。

除菌にこだわるなら、UVC光消毒ボックスという選択肢もあります。液体や化学薬品を一切使用せず、光の力だけで細菌を殺菌できる方法で、レンズへのダメージを与えません。

やってはいけないNG行動と長持ちさせる保管方法

やってはいけないNG行動と長持ちさせる保管方法

お手入れ以外にも、日常的な習慣がメガネの寿命を大きく左右します。私が気をつけるようになったNG行動をまとめます。

拭き方のNG

ペーパータオル・ティッシュ・シャツの端でレンズを拭くのは避けましょう。これらの素材には木繊維が含まれており、顕微鏡レベルで研磨力があります。細かい傷が少しずつ積み重なって視界の劣化につながります。

洗剤選びのNG

アンモニアを含む窓用洗剤(多くのガラスクリーナー)はARコーティングを驚くほど速く劣化させます。

日常生活でのNG

  • ヘアスプレー・日焼け止め・香水をつける前にメガネを外すこと。これらのエアロゾルがレンズに膜を張り、拭き取りにくい汚れになります。
  • 温泉やサウナでメガネを着用したままにすると、熱によってレンズのコーティングにひびが入るリスクがあります。
  • 夏の直射日光や車内の熱でアクリルレンズが膨張し、コーティングにムラが発生することがあります。

保管のNG

使用していないメガネは必ずハードケースに入れて保管してください。裸でバッグに入れたり、レンズを下にして放置したりすると傷の原因になります。また、水で洗った後は自然乾燥させないこと。水分中のミネラルが沈殿してシミになります。

メガネをアルコールで傷めないためのお手入れポイントまとめ

この記事のまとめです。

  • アルコールはプラスチックフレームの光沢を鈍くしたり変色させたりすることがある
  • 天然素材のフレームほど白く変色しやすい
  • メタルフレームも金属上のコーティングがあるため、アルコールによる変色・変質リスクに要注意
  • 七宝加工はアルコール消毒した手で2週間触り続けると一部がはがれるケースが報告されている
  • ARコーティングはアルコールで化学結合が弱まり、ひびや剥がれが生じる可能性がある
  • 疎水層・撥油層はアルコールで剥離しやすい
  • 東海光学公式ではレンズへのアルコール使用は「差し支えない」としているが、フレーム(特にセルフレーム)は注意が必要
  • アルコール入りウェットティッシュで拭く程度は特殊素材でなければ比較的問題が少ないとされる
  • スプレータイプを直接メガネに振りかけるのは避ける
  • 正しいお手入れは「中性洗剤+水洗い」か「メガネ専用クリーナー」
  • 洗う際はお湯でなく水を使う(プラスチックレンズは熱に弱い)
  • 金属パーツはサビ防止のため水気をしっかり拭き取る
  • ティッシュやシャツの端でのから拭きは傷のもと
  • 使わないときは必ずハードケースに保管する
  • 曇り止めクロスはレンズがきれいな状態で使うこと
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この記事を書いた人

はじめまして、ミカタです。
小学生でメガネデビューし、コンタクトとの行ったり来たりを経て、今はメガネの魅力にどっぷりハマっている40代会社員です。
「自分にぴったりの一本」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

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